朝、目を覚ます。
窓の外を見ると、そこはムルデカ118がどーんと見える。

ここはクアラルンプール。
海外で暮らしている。
それが今では、すっかり日常になった。
若い頃、海外の大学に通う大人を見たことがある。
そのときから「いつか海外で暮らしたい」は、ずっとやってみたいことの一つだった。
旅行ではなく、暮らす。
ホテルではなく、自分の家がある。
スーパーに買い物に行って、ジムに行って、仕事をして、ご飯を食べる。
特別なことは何もない。
でも、その「普通の毎日」を外国で送っていることが、なんだか面白い。
2024年、まずバンコクで暮らし始めた。
そして今はクアラルンプール。
実際に暮らしてみると、海外生活は毎日が刺激的!
……というわけでもない(笑)
慣れてしまえば、普通に生活である。
それでも、ときどきふと思う。
「ああ、俺、海外に住んでるんや」
昔の自分がやりたかったことを、今の自分は普通の日常として生きている。
これは、なかなかいい。
そして海外に出てみて、もう一つ面白いことが起きた。
自分の「普通」が、少しずつ壊れていった。
国籍の違う人と知り合う。
日本とは違う考え方に出会う。
日本にいたら接点がなかったであろう人と、普通に話をする。
日本で長く暮らしていると、知らないうちに「こういうものだ」と思っていたことが結構ある。
でも、国が変われば全然違う。
どちらが正しいという話でもない。
「あ、そういうのもアリなんや」
が増えていく。
海外で暮らすという夢は、叶った。
でも面白いのは、夢が叶ったことよりも、その後なのかもしれない。
ずっと特別だった「海外」が、普通の日常になった。
そして、自分が普通だと思っていたものが、少しずつ普通ではなくなっていく。
海外で暮らしてみて手に入れたものは、
案外、そういうことなのかもしれない。

