先物には取引最終日というものが存在することをお話させていただきました。
取引最終日の次の日の朝にSQ(特別清算値)が決まるという事も。
これはSQ日に発表されます。最近はWEBサイトで確認できます。
場所を変えるとアメリカでは毎日精算値が表示されます。
日本の常識は世界の常識ではないということなんです。
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松村博史
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特別精算値の値は日本取引所グループのWEBサイト
http://www.jpx.co.jp/markets/derivatives/special-quotation/
に表示されます。下記は2015年6月限の表です。
ご覧なるとわかりますが、日経225だけじゃないですね。いろいろあります。
これらは先物として取引できる銘柄です。
しかしながら日経225しか人気がなく、つぎにTOPIXが少し、あとはちらほらという取引量です。
TOPIX先物も日経225先物に比べると10分の1以下の流動性です。
でもこういうものもあると知っておくのもいいでしょう。
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さて日本の事情とはべつにアメリカのシカゴの取引所について少し述べます。
シカゴの取引所に興味を持ったのはここでも日経225先物が取引されているからです。
今でこそ日本の日経225先物は夜中の3時まで取引されていますが、以前は株と同じでした。
そのあと夜11時ころになるとシカゴの取引所が開き、朝6時ころまで取引されたおりました。
その価格を知ることができたら、翌日の日本の取引で有利になる。
そう思って興味を持ったのでした。
確かに今でもシカゴの日経225の値動きを参考に日本の取引をされている方は大勢いらっしゃいます。
いつかその手法についても書いてみたいと思います。
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今日は手法の話ではなくて、制度の話。
シカゴの取引所のデータを見ていると、毎日の終値が2つとか3つあるんです。
違う項目に精算値という欄があってそれらの数値とはまた微妙に違う数値があります。
なんだこれは?
日本って株でもそうですが、寄付きの価格と引けの価格って一つですよね。
実はこれ、日本が特殊なんです。
日本の寄付き、引けの制度を「板寄せ」っていいます。
株のオークションに参加する人に予め買いたい価格と売りたい価格、その数量を聞いておいて、釣り合いのとれているところでいっせいに売買を成立させます。
なのでひとつの価格しかありません。
買いたい人と売りたい人のバランスがあまりにも悪い時には売買が成立しません。
そんな時は寄付きが9時から遅れて9時10分とかになることがあります。
引けの場合は売買が成立しないと「引け決済」と指示を出していたにもかかわらず持ち越しとなることがあります。
シカゴにはありません。
ヨーロッパもそうと聞いていますが確かめていないので、一応確実なシカゴだけ書いておきます。
取引開始からオークション、取引終了もオークション。
要は早くに価格提示していた人から売買成立です。
価格を提示しない注文すなわち成行は優先的に売買成立です。
ですから、始値が2つ3つ。終値が2つ3つは当たり前なんです。
日本の常識は世界の非常識。知っておくといいと思います。
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板寄せという制度は、システム開発を複雑にします。だから嫌いです(笑)
オークションのシステムのほうが断然簡単です。
日本は取引所のシステムを輸入してカスタマイズしています。
こんなところにもコストがかかったりしています。無駄だよなぁと思います。
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システムトレードの観点から見てみると、バックテストの精度に影響がでます。
日本では寄りと引けの価格が確定しているので、日足でのバックテストは確からしいと思われています。
日中の成行の取引ルールと比べてですよ。
シカゴではどうなんでしょう?価格が2つも3つもあるのでどれを採用するかで成績にばらつきがでますよね。
ということは日足でのバックテストでも確からしさなんてさほど無いような気がしますね。
いつも言っていますが、バックテスト職人になってもしょうがないという事かと思います。
ご参考まで。
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