証券会社とのAPI接続という記事に相当数のアクセスがあります。
時代は自動売買に向かっているのを感じます。
本記事はかなり技術的な内容です。
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あなたの投資を自動化します
オートマチックトレード
松村博史
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勝手な思い込みで、このブログの読者は取引ルールを作ろうとしている、または探している側の方々かと思っていました。
ところが、毎日「証券会社とのAPI接続」に相当数のアクセスがあります。
API接続を開発しようとしている方なのかどうなのでしょうか。
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・APIもスクリーンスクレイピングも変わらない
自分もしくは自社用の接続プログラムを作ろうとするならば、
証券会社から提供されるAPIでも、WEB注文画面を解析して作るスクリーンスクレイピングも
信頼性において変わらないと思います。
以下にその理由を述べます。
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・情報
注文の自動化において必要なのは
- 価格の取得
- 注文(新規・返済 × 成行・指値・逆指値の6パターン & 取消し注文)
- 注文状態の取得(受付番号、発注中、約定、分割約定、失効、取消済 FXは注文拒否)
ですが、これはWEB注文画面にすべて揃っています。
情報という意味ではAPIもスクリーンスクレイピングも全く変わりません。
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・接続手順
スクリーンスクレイピングでは注文に至るにおいて、画面遷移を人の手でするのと同じようにしないといけないことがあります。
注文トップ → 新規・返済の別の選択 →
新規の場合は条件を送信
返済の場合は建玉選択 → 条件を送信
という具合に。
APIではこの手順が省けます。注文内容のパラメータを作成し指定URLにダイレクトにアクセスすることができます。
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・スピード
証券会社提供のAPIには制限があることが多くて、参照系は1秒に1回しかアクセスできないということがほとんど(ほぼすべて)です。
ということはHFT(高頻度売買)を狙ってもHFTでは千分の一秒の勝負だったりするので使えません。
スクリーンスクレイピングでも注文は人の手よりは数百倍早く、正確です。
画面遷移が不要なAPIのほうが多少速いですが、実用的にという意味で変わらないと思います。
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・仕様の理解
これが一番の問題かもしれません。
スクリーンスクレイピングではWEB画面という一般に見えている、いわば公開されている情報を使って開発できるので、改めて仕様を理解する必要は無いとも言えます。
一方でAPIは難解とも言える仕様書が与えられます。
受け入れ側のシステムの機能が豊富だと、自分たちは使わないパラメータの設定をしなければなりません。
例えば、Uターン注文。こちら側で玉を管理していればUターン注文を出すことはありません。でもパラメータは必要だったりします。
APIで受け取る情報についても同じ事で、実践しようとしている取引ルールでは使わない情報も山のように届くAPIがあります。
この処理も煩雑になります。
スクリーンスクレイピングでは、必要なところだけ抽出して処理すればいいです。
今まで一番分厚かった仕様書は180ページありました。
開発に必要な部分は一部でしたが、とりあえず全部読み込まなければなりませんでした。
そういう意味ではスクリーンスクレイピングは見えているので仕様の理解は簡単です。
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・総括
自分または自社のために、特定の1社の接続プログラムを作るのならばAPIよりスクリーンスクレイピングのほうが簡単だと思います。
とはいえスクリーンスクレイピングには、解析したWEBサイトが大きく変更されてしまったら接続できなくなるという問題はあります。
なので私どものように、一般のお客様に証券会社との接続を提供する会社の場合は開発がしんどくてもAPIが安心だと思っています。
ここだけの話、API提供していもらっていてもAPIサーバーが落ちることだってありました。
何を選択しても100%安全はないと思って取り組まれるのがよろしいかと思います。
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