自分の見ているチャートと他人が見ているチャートの値は微妙に違います。
このことはFXの参加者であれば周知の事実です。
実は株や日経225でも起こっていることはあまり知られていません。
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松村博史
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熱心なお客様になればなるほど、数字には敏感です。
利益の数字、損失の数字に敏感なのはいいのですが、テクニカル指標の数字に敏感なのはいただけません。
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先日戦略作成パートナーの方とお話ししていました。
そうしたら新事実が・・・
各証券会社に自動注文するシステムを作るというお仕事上、各社のチャートはよく見比べていました。
その中で日経225の価格なのに、分足や5分足、10分足でも微妙に違う時があるのです。
なんだこれは?
原則は同一時刻同一価格のはずなのに、なぜか微妙に違う。
調べに調べて謎は解けました。
日足の四本値(始値、高値、安値、終値)は取引所が発表します。
これは各社ズレる理由がありません。
ところが日中の分足や時間足はデータ配信元が刻々と変わる価格を集めて作成しているものなのです。
この過程でほとんどの場合同じになっているのですが、各社が独自でつくっているということで微妙に違う時があります。
またこんなこともあります。
足の作り方に統一性がありません。
まだ日経225に前場後場があったころ、あるチャートは11:00(前場引け)の足というものを表示していました。
引けは1回しか約定しておらず当然始値、高値、安値、終値はすべて同じ値です。
これが1分足ならまだしも1時間足にもあるのです。
1回しか約定していない11:00のデータは11時00分00秒から11時59分59秒999の価格変化を表しているとは思えません。
このデータが平均線をつくったりテクニカル指標を作るときの値として使われます。
あるチャートは11:00の足は10:59の最後に組み込まれていたりします。
もちろん、この足の本数の違うものを使って算出したテクニカルデータは微妙に違うものになります。
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チャートソフトによってはティック値を仕入れてチャートソフト上で足を作るものもあります。
PCの時刻がずれていたらもうアウトです。
最近は価格と一緒に時刻もサーバーから取得して端末の時計の影響を受けないようにしています。
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ここからが私の知らなかった事実です。
証券会社は各社独自のチャートツールを提供しています。
私はテクニカル指標を算出することができるので、各社のテクニカル指標を見比べることまでしていませんでした。
が、前出の戦略作成パートナーはやっていたんですね。
そうしたらテクニカル指標の値がちょっとずつ違うことを知ったと。
彼はエンジニアでは無いのでこう表現していました。
「証券会社毎に計算式が違う」
私は計算式は世界統一で決まっているのでそんなことはないだろうと思っています。
さきの足の値が違うことを説明しても、足の値が同じ時でもテクニカル指標の値が違うというのです。
まぁ理由は定かではありませんが、そんな事実があるということを知りました。
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ではどうしたらいいか?
究極はテクニカル指標を使わずに戦略を立てるということです。
もしくは鈍感な使い方または自分が鈍感になることです。
自分の見ているチャートで微妙にエントリーポイントらしきところがあったけど自動売買ではエントリーしていない。
気にしないことです。
あとは、エントリー時にはテクニカル指標を使ってもいいけど、エグジットはできるだけ使わない。
そんなルールが出来れば、相場環境が変わった時でも修正がしやすいですね。
ご参考まで。