自動売買を検索すると目にすることがある高頻度売買。
個人投資家ではどう付き合うことが出来るでしょうか。
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あなたの投資を機械化します
オートマチックトレード
松村博史
大阪市内の自宅から
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週のはじめは日曜日。今週もお役に立つ情報をお届けしたいと思います。
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高頻度売買については情報通の方であればご存知のかたもいらっしゃると思います。
ヘッジファンドや投資銀行が採用している自動売買の方法で英語でHFTと略されます。
とにかく人より早く取引所に注文をだし、一回の取引の利益が100円、500円の取引をします。
これを1日1000回もすれば儲けになるという手法です。実際はもっと高頻度でやっているそうです。
この手法を知って、弊社サービスのような自動売買ツールに出会った時、ついやりたくなるのがこれ。
たしかに市場に資金を投下している間は常にリスクに晒されているという考え方で、その時間を短くするという効果はあります。
しかしながらこの手法がヘッジファンドで成り立っている理由を考えると個人投資家が手をだすものではありません。
ヘッジファンドでは
- 注文サーバーが取引所直結
- 注文システムにお金をかけて高速な注文システムを持っている
- 取引手数料が個人投資家のそれと比べてかなり小さい
これらが満たされているからこそ、人より早く注文が出せるし、一回の取引の利益が小さくても手数料負けしません。
一方
個人投資家の場合は
- かならず証券会社を通しての注文になる。
- 個人投資家が使えるツールは高速に取引できることよりユーザーの使いやすさを重点をおいている。
- 証券会社に支払う取引手数料がある。
いくらWEB注文が出来るようになって注文は早く出来るようになっても、また自動売買で人の手よりも数百倍早く注文ができるようになっても、必ず証券会社のサーバーを通ります。
証券会社のサーバーは、あなたの注文が妥当かどうか判断を入れます。具体的には
- 銘柄と数量の単位は間違えていないのか?
- それを購入出来るだけの余力はあるのか?
などです。これを聞くとそういうチェックは必ずされているのではと思いますよね。取引所ではそんなチェックしていないんですよ。
事実、2005年ジェイコム株大量誤発注事件があります。
簡単に言うと「みずほ証券の男性担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤ってコンピュータに入力した」注文が取引所に通ってしまい大混乱が起きた事件。
現在ではここまでの誤発注はできなくなっていますが、余力のチェックなどはしていません。
証券会社でいろいろチェックをしているだけでヘッジファンドの取引スピードには全くかないません。
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個人投資家が使えるツールにも限界があります。
ヘッジファンドではシステム代に億という単位のお金を使ってますからしょうがないですね。
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取引手数料についても、取引所がボリュームディスカウントを用意しています。
なので1社で大量に注文をするヘッジファンドには個人投資家よりもかなり優遇された手数料となっているわけです。
個人投資家では株の手数料も、日経225先物の手数料も高頻度売買するには大きすぎるんです。
例を挙げると日経225ミニの取引手数料は各社50円くらいになっています。
取引あたりの手数料率を考えると、500円の儲けに対して50円は実に1割有ります。
多すぎますね。
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ヘッジファンドが行っているような高頻度売買は個人投資家では難しいことはわかっていただけたことでしょう。
でもこれに似た1日20回とか回転させる売買を設定する方がいらっしゃるのですが、これもオススメできません。
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自動売買ルールを考えるときは、やろうと思えば自分の手でも注文できるルールを、時間の節約、心の安定、機会損失を防ぐ、を目的に設定することが肝心かと思います。
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